PRP療法(多血小板血漿療法)について
PRP療法の作用メカニズム
PRP療法の主な作用機序は組織修復と抗炎症作用であると言われており、具体的には軟骨細胞の分化、増殖、軟骨気質産生を促進するほか、気質分解酵素の発現を抑制する作用があることをが示されています。
PRPの調整法
患者から採血した血液を適切な条件下で遠心分離することで、全血を血漿層、buffycoat、赤血球層に分けます。この血漿層のうちbuffy coatに近い血漿がPRPと呼ばれます。PRP中の血小板濃度は末梢血の2-6倍であり、これは組織治癒促進に最適な濃度です。
PRP療法のプロトコル
PRP療法の適応
人医療において肩関節、肘関節、股関節、膝関節、足関節の変形性関節症のほか、軟骨損傷や離断性骨軟骨炎、半月板損傷へのPRP投与が行われており、その適応は多岐にわたります。また既存の治療に効果が見られず関節炎に悩む方においてもPRP療法が一定の割合で奏効したことが示されています。当院では関節炎、椎間板ヘルニア、骨折、前十字靭帯損傷、半月板損傷の症例に対してPRP療法を行っております。PRP療法が適応となるかどうかは、診察をして判断させて頂きますのでご相談ください。
PRP療法を施した骨折症例
レントゲン上の骨折ラインの消失には通常約2ヶ月の期間が必要ですが、PRP療法を行った症例では、手術の約一ヶ月後に骨折ラインの消失が認められます。PRPに含まれる多量の成長因子が組織修復を促進したことで、早期の骨癒合が得られたと考えられます。